食農小話〜小話で食と農がもっと楽しくなる〜

食や農がもっと楽しくなるような小話を書きます!

小豆:北海道フードマイスター

こんにちは食農小話です。

今回は小豆のお話。

 

皆さん「小豆」をなんと呼んでいますか?一般的には「あずき」ですよね。農業関係者は基本的に「しょうず」と呼んでいます。冷静に考えると、だいずの対比としてしょうずの方がしっくりきます。

あずきの語源としては諸説あるようですが、アは赤色、ズキは溶けるという意味があって、赤くて他の豆よりも溶けやすいからあずきという名がついた、。というのが僕の好きな一説です。

でもでも、漢字で書いたら小豆なのはなんで?

漢字は中国から伝わりました。大に対する小の意味があります。大は大きいという意味と同時に優れている役に立つという意味があります。対して、小は劣っている役に立たないという意味を持ちます。

小豆は大豆に比べて、寒さに弱く収量が不安定になりやすい作物です。またほとんどの場合、小豆のみで食すことのない、使い勝手の悪い作物だという点で、小豆と呼ばれたのではないでしょうか。

 

小豆の歴史は非常に古く、縄文時代の遺跡からも発見されているそうです。お米や小麦が伝わるもっと前からあったんですね。また、古事記日本書紀にも、小豆が登場します。また、中国から赤いあずきが魔除の力を持つと伝わり、お祝い事や供物に食べられるようになりました。今でも赤飯を食べたりしますよね。

 

国内の小豆生産の8割が北海道で栽培されています。特に、加工業者やお菓子屋さんから引き合いの強い品種がエリモショウズです。北海道での生産に合うように耐冷性の強いことに加え、食味や餡の色が非常に良い品種です。

 

道外のあんこ系のお菓子を見ると、北海道エリモショウズ100%!的なのを見かけることもしばしばです。

 

北海道内小豆収量ランキング(2016北海道農政事務所)は

1位音更町 2位芽室町 3位帯広市

ほとんどが十勝で生産されています。実はランキング10位まで見ても全部十勝です。豆王国十勝。

 

小豆には、豊富なタンパク質やビタミン類、ミネラルも豊富に含まれています。その栄養価の高さから、古来から重宝されていたことがわかります。

これはぼくの勝手な考えですが、小は劣るの意味とありましたが、その他の名も無き豆たちが山ほどあったはずで、そこから栽培種として大豆や小豆として選ばれている以上、豆界ではやはりスーパースターなんだと思います。

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余談

実は大と小のお話、大麦と小麦の関係にも当てはまります。大麦は、煮てそのまま食べるのが主流でした。小麦は粉にして加工してやっと美味しく食べられました。加工技術の発展した現代においては、大麦と小麦の関係は文字通りではなく、反転しているようにも感じますが、語源ってそういうもんですよね。