食農小話〜小話で食と農がもっと楽しくなる〜

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てんさい:北海道フードマイスター

こんにちは、食農小話です。

今回はてんさいのお話

 

てんさいってご存知ですか?

甜菜と書きますし、ビートや砂糖大根と言われることもあります。

そう、てんさいは砂糖の原料です。

 

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日本では北海道でのみ栽培されています。

消費量の65%が輸入とされています。

 

てんさいが人類にその糖生産能力を見出されたのは割と最近の出来事です。

世界最初の製糖工場は19世紀に入ってからといわれ、200年ほどの付き合いです。日本では、1920年大正9年に十勝に工場が出来てから本格的な栽培が始まったため、やっと100年経ったというところです。

 

品種は、

ベルギーやスウェーデン、ドイツなど、ヨーロッパの種苗会社が育成したものを作付けしています。

 

北海道内てんさい収量ランキング(2016北海道農政事務所)は

1位網走市 2位小清水町 3位帯広市

 

やはり道東〜オホーツクが巨大な産地となっています。

 

てんさいは、生育が進むに従って根部に砂糖をため込んでいきます。特徴として、夏が終わり秋に向かう時期(7〜10月)の最低気温が低いと糖度が高くなります。そのため、お盆を過ぎた頃からググッと気温が下がっていく道東方面はてんさい栽培に向いていることがわかります。

 

てんさいを栽培するのはとても大変です。まだ雪の降る3月末頃にビニールは数の中で種蒔をします。その後、育苗管理をして、5月にほ場に移植します。そして10月中下旬から11月初旬にかけて収穫を行います。北海道で作付けされる作物の中ではとても長い期間栽培します。

 

てんさいは2年生作物で、冬の低温を受けて2年めに花を咲かせて種をつけます。砂糖を取るために栽培しているので、1年目の冬に収穫します。そのため僕はてんさいの花を見たことがありません。

 

機能性表示食品などに興味のある方はご存知かと思いますが、てんさい糖にはオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖は胃で分解されにくく大腸に届いて腸内のビフィズス菌のエサになります。

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砂糖には甘味料としての利用の他、腐敗防止や保水効果、パンの発酵促進などさまざまな使い道があります。太るとか体に悪いとか誤解の多い砂糖ですが、丁寧に活用して美味しい食を楽しみたいですね。

ありがとうオリゴ糖

 

余談

砂糖といえばサトウキビを思いつきますね。サトウキビは鹿児島県や沖縄県で作られていて、国産砂糖の3割を占めます。つまり、国産砂糖の7割は北海道のビートから作られています。道内各地にある製糖工場で精製されて、食卓に届いていますよ。

また、砂糖だいこんと言われますが、てんさいはヒユ科で、大根とは縁もゆかりもありません。(大根はアブラナ科